リアルな文章にする 【小説の書き方】

 前章でも少し触れましたが、小説を読むということは文章を読み、読者一人一人がその物語を頭の中で思い描く事です。読者が文章を読む際に、どれだけ想像力を膨らませられるかでその小説の面白さが決まると思っても過言ではありません。では、想像力を膨らましやすい文章とはどういった文章でしょうか。
 それは「リアルな文章」です。SF、ファンタジーなど仮想現実を題材とした小説、歴史小説などの時代背景が現代でないものでも同じ事が言えます。というよりも、そのテーマで読者がリアルに感じるかで面白さが変わっていきます。
 ここでいう「リアルな文章」というのは物語の舞台が現代で、読者にとって身近な物をテーマに扱うという事ではありません。「心の描写」「五感の描写」「風景描写」を詳細に書いてあるかという事です。
 まず「心の描写」ですが、登場人物の思考・思想や、喜び、怒り、悲しみ、恐怖、憎しみ、愛しさなどの感情を文章で再現することです。ここを細かく書く事で読者は登場人物がどういう人物なのかを理解することができ、想像しやすくなります。
 つぎに「五感の描写」です。これは触覚・嗅覚・味覚・視覚・聴覚の五感で登場人物が現在どう感じているかを描写することです。それが細かく書いてある事で臨場感溢れる文章になります。例えば、ただ「辛かった」と書くよりも「口の中の水分が蒸発するぐらい辛かった」と書く方がどれくらい辛いのかがわかりやすくなります。
 五感の視覚と重なる部分もありますが、「風景描写」はそのシーンで登場人物がどこにいるのか、登場人物の目に風景はどのように映っているかを書くことです。また、登場人物の視覚以外の表現としてどのような景色なのかを神の視点で書く事があります。神の視点とは、登場人物の誰でもないもの、つまり作家自身が読者に「今はこの状態です」と説明する文章のことです。詳しくは次章で説明していきます。特にSFやファンタジーなどの仮想世界が舞台となる小説だと、この「風景描写」が重要になります。どういった町並みなのか、どのような世界なのかを詳しくかくことで、読者が理解し想像しやすくします。
 文章を構成する上で、この三つの描写を細かくすることで読者が想像しやすくなり、物語に臨場感が生まれます。