時間の流れ 【文章の書き方編】

 書き始めた方によくあるのが時間の流れを把握していないということです。本人はわかっていても、読者に伝わらないことがあります。それは文章内での時間の流れが伝わらないからです。例文を出して説明していきましょう。
 
例文:私は会社を出た。電車に乗って家に帰ってきた。
 
 極端な例ですが、これだと会社を出たのと家に帰ってきたのが同時に起こっているようにも読めます。書いた本人は会社を出て、電車を使って家に向かったつもりであっても読者には通じません。この文章だと「会社を出た」ということと「家に帰ってきた」ということしか通じず、読んでいる人にとっては「どこから電車に乗ったのか」や「いつ家に帰ってきたのか」という時間や状況の把握ができません。
 次の例文を見てください。
 
例文1:会社を出て、私は東京駅へ向かった。電車に乗って家に帰るためだ。
 
例文2:会社を出て東京駅から電車に乗り、私は家に帰ってきた。

 
 例文1は会社を出た状況に重点を置いて書いた文章になっています。2の方は家に帰ってきた状況に重点を置いた文章です。どちらも時間の流れを意識して書いた文章で、その状況が読み取れるようになっています。
 このように「○○から○○へ」向かう状況を書く際には、文章の中で時間の流れを正確に把握していないといけません。最初の例文だと会社を出たのが現在なのか、家についたのが現在なのかがわからない状態です。文章の前後関係を把握することが大事です。
 他に注意すべき点として、他には時間の順序を守るということがあります。次の例文を見てください。
 
例文:会社を出て東京駅から電車に乗り、私は家に帰ってきた。
   東京駅にあるコンビニで新商品の菓子を買った。

 
 この例文の一行目では「家に帰ってきた」とありますが、二行目では東京駅での行動が書かれています。一行目で家に帰るという行為が完結し、過去のこととなっているのに、二行目では帰り道の途中のことが書かれています。
 
例文1:会社を出て東京駅から電車に乗り、私は家に帰ってきた。
    帰る途中、東京駅にあるコンビニで新商品の菓子を買った。
 
例文2:会社を出て東京駅に着いたとき、駅の中にあるコンビニで
    新商品の菓子を見つけた。それを買ってから私は電車に乗り、家に帰ってきた。

 
 例文1は「帰る途中」という文を付け足して、過去のことだったことを表現し、例文2は文の時間の順序を正しくした物です。
 こういった時間の順序のことを「時制」といいます。
 重要な点は「その小説で書かれている現在はどこにいるのか」「次はどこへ向かうか」
「時間はどのように流れているのか」をしっかりと把握することです。